羽生善治さんの事は、皆さんご存じだと思います。
史上初のタイトル七冠を達成し、将棋界で初めて国民栄誉賞を受賞し伝説となりました。
羽生善治さんはタイトル七冠だけでなく、たくさんの偉業を成し遂げています。
「天才」という使い勝手のいい言葉で表していいのか疑問ですが、
それでも「将棋の天才」と言っていいでしょう。
今回は、羽生善治さんがどんな人なのか?
凄さや伝説となっている天才エピソードなどを解説していきます。
- 羽生善治とはどんな人?
- 羽生善治のすごさ
- チェスの才能
- 羽生善治の天才エピソード
- 羽生善治のおすすめ本
羽生善治とはどんな人?
羽生善治さんの事は皆さんご存じだとは思いますが、どんな人なのでしょうか?
羽生善治さんのすごさを紹介する前に、まずは簡単にどんな人なのかを見ていきましょう!
- 名前:羽生善治
- 生年月日:1970年9月27日(記事執筆時52歳)
- 出身地:埼玉県所沢市
- タイトル獲得数:99期(歴代1位)
- 一般棋戦優勝回数:45回(歴代1位)
- 永世称号資格:「永世竜王」」「十九世名人」「永世王位」「名誉王座」「永世棋王」「永世王将」「永世棋聖」
※うさぎが大好き
羽生善治先生は、1985年12月18日(15歳)に、中学生でプロ棋士としてデビューをしました。
中学生プロ棋士は、当時「加藤一二三」「谷川浩司」に次いで3人目です。
現在では、その後「渡辺明」「藤井聡太」と中学生でプロ棋士デビューを果たし、合計で5人います。
そして、現在まで数々のタイトルを獲得し、タイトル獲得数99期で、これは歴代1位の記録です。
一般棋戦の優勝回数も45回優勝しており、これも歴代1位の記録です。
将棋のタイトルには、一定以上の成績を残した人に名誉称号が与えられますが、
羽生善治さんは、なんと名誉称号が定められている7つすべてを獲得し、七冠達成を果たしました。
※現在では、名誉称号のタイトルが一つ増え、8つになっています。
タイトルに関して詳しく書いた記事がありますので、知りたい方はこちらをご覧ください!
羽生善治のすごさをわかりやすく解説
羽生善治七冠がどんな人なのかについて紹介しました。
実績についても軽く紹介しましたが、実際のところどれだけ凄いことなのでしょうか?
将棋ファンではない人が見てもわかるように、羽生善治七冠のすごさをわかりやすく解説します。
タイトル99期獲得
羽生さんは、タイトルを通算99期獲得しています。
先ほども言いましたが、これはぶっちぎりで歴代1位の記録です。
羽生さんが活躍していた1995年~2014年の20年間のうち、半分以上のタイトルを獲得したのです。
簡単にタイトルを獲得していますが、ほとんどのプロ棋士はタイトルを獲得できません。
将棋のプロ棋士は、現在で181名(記事執筆時)います。
羽生先生が大活躍していたころには、160名ぐらいでしたが、その中でタイトルを獲得するのは至難の業です。
1年でタイトルを獲得できるのは8回しかありません。
なぜなら、将棋のタイトルは8つだからです。
その8つの中の1つの叡王戦は、2017年と比較的最近になってタイトル戦へとなりました。
つまり、羽生先生が大活躍していたころには7つのタイトルしかなかったのです。
その中で、羽生先生は1年で最高でも7つしか取れないタイトルを、現在まで99回獲得しているという事になります。
これは、長年にわたって活躍しないと取れないことをさしますので、羽生先生は何年も大活躍してきたことがわかります。
また、現役で第2位の記録保持者は「渡辺明」で、タイトル獲得数31期です。
これは羽生先生の獲得数の3割にも届きません。
この事から、羽生先生が現役棋士であるにもかかわらず、歴代1位の獲得数を持っているというすごさがわかります!
史上初の七冠達成
羽生先生のすごさのもう一つに史上初の「七冠達成」という記録があります。
先ほども述べましたが、羽生先生が七冠達成した時は、タイトルは全部で7つでした。
つまり、その年のすべてのタイトルを羽生先生が独占したという事になります。
将棋人口が600万人ほどいる中から、プロ棋士になれるのはほんの一握り。
その狭き門をくぐってきたプロ棋士たちの中で、タイトルをすべて取ったのです。
これももちろん現在まで羽生先生以外に達成した人はいません!
羽生先生がタイトル七冠を獲得したのは、1996年の2月14日の第45期王将戦第4局でした。
相手は、谷川浩司王将でしたが、82手目で谷川浩司王将が投了し、羽生善治七冠となったのでした。
七冠達成した時の羽生先生は、25歳という若さで将棋界初となる偉業を成し遂げたのでした。
国民栄誉賞を受賞
羽生善治七冠の凄さは、国民栄誉賞を受賞したことです。
これは将棋界初の受賞で、将棋界の発展におおいに貢献したのではないでしょうか。
国民栄誉賞は内閣総理大臣表彰のひとつで、1977年に当時の首相「福田赳夫(ふくだたけお」によって創設されました。
国民栄誉賞は「広く国民に敬愛され、社会に明るい希望を与えることに顕著な業績があったものについて、その栄誉を讃えること」が表彰規定として定められています。
これまで26個人と1団体に国民栄誉賞が贈られています。
国民栄誉賞の受賞者には、「王貞治」「松井秀喜」「吉田沙保里」「女子サッカー日本代表」など、そうそうたる人たちが受賞しています。
羽生善治先生が国民栄誉賞を受賞した理由は「将棋界初の永世七冠を達成した」ことです。
羽生善治先生は表彰式で棋士としての今後の目標を聞かれた際、以下のように語っています。
将棋の世界は非常に幅広い年代の人がいますので、自分自身は現役棋士になって30年以上の月日は流れていますけれども、年代があがっていっても、残せるものとか、指せる将棋というのもあるのではないかと思っていますので、自分なりの出来る限りの限界に挑戦していけたらと思います
出典:日本将棋連盟【国民栄誉賞表彰式の模様】
永世七冠にもなった人が「自分なりの出来る限りの限界に挑戦する」と、まだ挑戦の志を掲げていることに感銘を受けました。
まさに国民栄誉賞に値する人物だと感じますね!
チェスの才能
羽生善治先生のすごさの1つに「将棋以外の才能も優れている」という事があります。
中でも有名なのがチェスでしょう。
羽生善治先生は、趣味でチェスをしており、そのチェスでもトッププレイヤーなのです。
チェスを実際に始めたのは七冠を制覇前後の1996年頃です。
この時羽生先生は26歳頃でかなり遅い年齢でのスタートでした。
将棋の対局で多忙な中、チェスの勉強を始めた羽生先生は、海外大会へ参加をしレーティングを上げて、FIDEマスターの位を保持しています。
そうして順調にレーティングを上げた結果、2007年5月にはレーティング2404となり国内1位になりました。
将棋棋士のかたわら、趣味で始めたチェスでレーティング日本1位になるのは凄すぎますよね!
これが「羽生善治」という天才棋士なのでしょう!
相手の得意戦法に受けて立つ
羽生善治先生の凄さは「相手の得意戦法に受けて立つ」ところです。
通常では、相手に得意戦法をさせず、自分が得意戦法をして勝ちに行きますよね。
ですが、羽生さんはあえて相手の得意戦法を受けるのです。
そして、しっかり勝ちます。
相手からすると、「自分の得意戦法で勝負したのに負ける」のは、とんでもないほどの屈辱ですよね。
この相手の戦法に受けて立つところが、羽生さんのかっこよさであり、凄いところです。
羽生善治の天才エピソード5選【伝説】
これまで羽生善治先生のすごさをわかりやすく解説してきましたが、まだまだ凄い話があります。
羽生善治の天才エピソードを5つご紹介したいと思います。
【羽生伝説その1】羽生マジック
羽生さんの天才エピソードに「羽生マジック」があります。
羽生マジックとは、将棋の中盤から終盤にかけて、マジックのような信じられない手を出すことです。
一見「なんだこの手は…」と思うのですが、局面が進むと「あ、こんな意味があったのか」と驚かされます。
特に有名なのが、伝説の5二銀ではないでしょうか。
ひふみんこと加藤一二三九段との対局で、起きた羽生マジックです。
解説の米長邦雄永世棋聖も驚いている様子がうかがえます。
次に有名な羽生マジックがこちらです。
郷田真隆棋王との対局です。
うつ病九段の本も出版されている先崎学棋士も、解説で「天才だ」と称賛しています。
どれほど凄いのか?ぜひ、羽生マジックをご覧ください!
羽生善治七冠の対局を見るには、ABEMAで見ることができます。
また、大活躍中の藤井聡太棋士の対局も見ることができるので、タイトル獲得の瞬間を見逃したくない方は、
ぜひABEMAの公式サイトはこちらからご覧ください。
初めての方なら無料体験期間もありますので、お試しで見てみるのもいいですね!
【羽生伝説その2】羽生の手が震えると勝つ
羽生善治七冠は、将棋の対局中に手が震える場面があります。
集中力を研ぎ澄まし、限界を超えるほど脳をフル回転させ、次の一手を考えます。
羽生先生が一手を指そうとした時、手が震えると「勝利が確定した」と言われています。
羽生先生が対局の大一番で手が震えると、勝つという逸話があります。
ご自身は「勝ちを読み切ったものの、最後まで油断してはいけないと思った時に起こる現象のようです」と語っています。
「手が震えると勝つ」
なんか漫画の主人公のようでかっこいいですね!
【羽生伝説その3】羽生睨み
羽生善治天才エピソードに、対局中相手を睨む「羽生睨み」が有名です。
これは、集中力が高まりすぎると眼光が鋭くなり、羽生睨みと言われるようになりました。
現在の羽生先生というより、若いときの羽生先生に多く見られました。
将棋は将棋盤を挟んで向かい合いますが、将棋盤を見て対局するので、あまり対局者のことを見ません。
ですが、羽生先生は極限の集中状態に入るといつの間にか「羽生睨み」が発動しているみたいです。
あの羽生善治に睨まれたら、圧が凄すぎてブルブル震えそうですね!
【羽生伝説その4】数独は手の運動
羽生善治天才エピソードに「数独は手の運動」があります。
普通の人なら数独は頭の運動ですが、羽生先生にとっては頭の運動ではなく、「手の運動」みたいです。
数独をすると答えがすぐにわかるそうですが、一般人には理解ができませんね。
【羽生伝説その5】恐怖の赤ヘル
羽生善治天才エピソードに「恐怖の赤ヘル」という逸話があります。
子供の頃、将棋の大会に野球帽をよく被って行っていたみたいです。
しかも、将棋がめっちゃつよい。
そこから羽生善治少年は「恐怖の赤ヘル」とささやかれるようになったのでした。
羽生善治のおすすめ本
凄すぎる羽生善治先生ですが、将棋に関する本をたくさん出版されています。
そんな羽生先生の数ある本の中から、「羽生善治という男」をもっと詳しく知ることのできる本をいくつか紹介していきます。
将棋の定跡や手筋などの本というより「読み物」を紹介していきます。
永世七冠 羽生善治
この「永世七冠 羽生善治 」は、国民栄誉賞を受賞するに至った永世七冠達成をしたことを振り返ったり、森内俊之永世名人との対談の内容を知ることができます。
永世名人同士の対談の内容は非常に貴重なものです。
「森内俊之永世名人」が進行役を行っておりますが、この豪華すぎる対談は将棋ファンにとっては、ワクワクが止まらないのではないしょうか?
2人が発する一つ一つの言葉は、非常に興味深いですね。
対談中のインタビューに答える羽生善治さんの一つ一つの言葉が深く、丁寧に言葉を選んでいるのが伺えます。
この本を読むことで、将棋の奥深さを知ることができます。
将棋ファンの方は、ぜひ読んでみることをおすすめします!
決断力
「決断力 」は、勝負を左右する「集中力」と「決断力」、またいかにして「直感力」を磨いているのか?
そんな勝負師の決断力について知ることができる本です。
羽生善治さんは、「直観の7割は正しい」と述べています。
過酷な棋士の世界で、生き残ってきた思考法、物事の考え方を知ることができます。
この決断する力は、社会人や学生、すべての人にとって必要不可欠な能力です。
これを読むことで、仕事での決断や進路の決断など人生の選択において、正しい決断力をつけることができるでしょう。
「あの時、この決断をしてればな」などと思ったことがある人は、ぜひ読んでみて下さい!
大局観 自分と闘って負けない心
「大局観 自分と闘って負けない心」は、勝負を左右する決断をする際、「直観か?」「経験か?」勝負に勝つための大局観についての本です。
また、運や不運のとらえ方、負ける事についても書いており、羽生先生の勝負論が知ることができます。
年齢を重ねると体力や読む力は衰えますが、大局観は強くなる。
大局観は全体を見て思考する力のことをいい、ビジネスの世界でも大切になります。
「木を見て森を見ず」という言葉もあるように、物事は全体を見て判断することで、いい方向へ決断できる。
この本を読むことで、全体を見通して判断する力がつき、いい方向への決断ができることでしょう。
羽生善治タイトル100期なるか?【まとめ】
羽生善治のすごさをわかりやすく解説しました。
現在タイトル99期で、あと1回タイトルを獲得すれば、タイトル100期になります。
記念すべきタイトル100期を獲得することができるのか?
これまで将棋界を何十年も盛り上げてくれた羽生善治七冠には、ぜひタイトル100期を達成してほしいですね!
ところで現在、藤井聡太という若き天才が将棋界の歴史を塗り替えようとしています。
そんな藤井聡太さんについての記事も書いておりますので、気になる方はご覧ください!
他にも将棋に関する記事を書いておりますので、こちらもご覧いただければと思います!
最後までご覧頂きありがとうございました!