「簿記2級の勉強が難しい」
「簿記2級の難易度が高くなっている」
最近このような話をよく聞きます。
僕は第141回の簿記2級の試験を受験し、見事一発合格することができました。
ちなみに僕が受験した第141回の簿記2級の合格率は、11.8%と非常に難しい試験でした。
現在はさらに簿記2級の難易度が上がり、難しくなってきていると聞きましたので、
今回は
・簿記2級ってどんな資格?
・簿記2級が難しい理由
・簿記2級と3級の違い
・簿記2級の合格率
・必要な勉強時間
・どんな人が受かるのか?
を解説していきたいと思います。
また、簿記検定の勉強法や簿記を取得するメリット、難易度や合格率、受験者数などを知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
そもそも簿記2級ってどんな資格?
簿記2級が難しい理由を解説する前に、そもそも簿記とはなにか?について解説していきます。
簿記2級の難易度が上がっている、近年では「簿記とはなにか?」という仕組みを理解することも必要です。
簿記とは?
簿記とは、会社の帳簿をつけることを言います。
帳簿は、いわゆる「会社の取引や資産や負債などとお金の流れを記録しておくもの」を言います。
この帳簿をつける理由は、取引を把握し、会社の財務状況や経営状態を把握できるようにするためです。
この帳簿を使って決算書を作ります。
そして、この決算書の数字を見て、経営判断をしたりするのです。
つまり、簿記は会社が正しい経営判断をするために、なくてはならないものなのです。
簿記2級に求められるのは?
簿記2級の資格に求められるレベルは、以下になります。
高度な商業簿記・工業簿記(原価計算を含む)を修得し、財務諸表の数字から経営内容を把握できるなど、企業活動や会計実務を踏まえ適切な処理や分析を行うために求められるレベル。
日本商工会議所
経営管理に役立つ知識として、企業から最も求められる資格の一つです。
つまり、簿記2級の知識があれば、会社で十分な経理能力が発揮できるという事です。
簿記2級の試験は、実務を意識した問題が出題されるため、実務に活かせる知識が必要になってきます。
そのため、3級に比べて当然難易度も上がります。
簿記2級が難しい理由
簿記2級が難しい理由はいくつかあります。
ここでは、簿記2級が難しい理由を順番に解説していきます。
簿記2級の資格を取得するために、難易度が高い理由を知って、対策を立てましょう!
出題範囲が広い
簿記2級が難しい理由の一つが「出題範囲が広い」ことです。
簿記2級の出題範囲は、商業簿記に加えて工業簿記も追加されます。
日商簿記検定では、問題ごとに計算が必要です。
さらに、記述式で回答しなければいけません。
※現在CBT方式(ネット試験)は、勘定科目が選択式といったことがあります。
よって一問に掛かる時間が多くなります。
なので、素早く正確に答えることが求められます。
これが簿記2級の難易度が高いと言われる理由の一つです。
合格率が大きく変動する
簿記2級の合格率は回によって合格率が大きく変動します。
第157回(2021年2月28日)の試験では、合格率8.6%と非常に難しい試験でした。
その次の第158回(2021年6月13日)の試験は、合格率24%と2桁の合格率になっています。
このように簿記2級の資格試験は、受験する回によってアタリとハズレが存在するのです。
簡単だと思う回があれば、難易度が高い回もある。
自分が受験する試験が当たり年であればいいですが、ハズレ年のような難易度の高い回でも合格できるように、日々勉強をすることが大切です。
ちなみに僕が受験した回は第141回(2015年11月15日)で合格率が11.8%でした。
僕は、この試験で合格したのですが、過去10年で一番難しい試験という事で、当時のTwitterが荒れていたのを覚えています。
少し運のような回が存在しますが、毎日コツコツ継続して勉強することが、本当の合格への近道だと実感しました。
簿記1級の範囲が追加された
簿記2級が難しい理由に「簿記1級の範囲が追加された」という事が挙げられます。
僕が受験した2015年から出題範囲が改訂されました。
従来まで1級の範囲だった「リース取引」「外貨建て取引」「その他有価証券の処理」「税効果会計」「連結会計」「連結会計アップストリーム」「本支店会計」が追加されました。
反対に「為替手形」「社債」「保証債務」などは範囲から外れました。
このように1級の範囲が2級で出題されるようになり、範囲が大幅に改訂されたので、出題傾向が掴みにくくなったことが、難しくなったと言われる理由です。
おそらく簿記2級の難易度が上がったと言われる1番の理由は、この大幅な範囲改訂があったからだと思われます。
範囲が改訂されて難易度があがっても、合格できるように改訂箇所をしっかりと対策することが大切ですね。
簿記2級と3級の違い
簿記の資格を取得しようと考えた時、2級を受けるか3級を受けるかで迷う方がいると思います。
ここでは簿記2級と3級の違いを解説していきます。
工業簿記が追加される
簿記2級と3級の違いに「工業簿記が追加される」ということがあります。
簿記3級では、商業簿記だけでした。
簿記3級のレベルは、下記になります。
基本的な商業簿記を修得し、小規模企業における企業活動や会計実務を踏まえ、経理関連書類の適切な処理を行うために求められるレベル。
日本商工会議所
ビジネスパーソンが身に着けておくべき「必須の基本知識」として、多くの企業から評価される資格です。
簿記3級は商業簿記の基本原理や諸取引の処理、試算表や精算表、決算整理などが範囲になります。
簿記3級の難易度としては、個人差はありますが1カ月ぐらいあれば十分合格できます。
簿記2級はこれに加えて、さらに範囲が広くなります。
より詳しく出題区分が知りたい方は、こちらをご覧ください。
日本商工会議所:出題区分表(商業簿記)
そして、簿記2級で新しく追加される範囲が「工業簿記」です。
工業簿記では、「工業簿記の本質や構造」「原価計算」「材料費計算」「個別原価計算」「標準原価計算」などその他たくさんあります。
工業簿記の出題区分を詳しく知りたい人はこちらをご覧ください。
日本商工会議所:出題区分表(工業簿記)
簿記2級になると工業簿記が追加され、3級に比べて難易度がぐっと上がります。
難易度が全然変わりますので、自分の理解度や確保できる勉強時間などを考えた上、どちらを受験するか決めましょう!
必要な勉強時間
簿記2級を取得するのに必要な勉強時間はどれぐらいなのでしょうか?
そもそもの学力や簿記3級を取得済みの方など勉強時間は個人差があります。
あくまで目安としてですが、参考までに紹介したいと思います。
簿記2級に必要な勉強時間は、初学者で300~500時間ぐらいでしょう。
3カ月で取得しようとすると、1日3時間半~5時間ぐらいの勉強時間が必要です。
半年で取得するなら、1日1時間半ぐらい~2時間半ぐらいの勉強時間が必要です。
簿記3級を取得済みの方などは200~300時間ぐらいで取得できることも十分考えられます。
また、独学で簿記2級を勉強するのか、通信講座や対面講座を受講するのかによっても勉強時間が変わると思います。
期間としては、3カ月~半年ぐらいは見ておいた方がいいと思います。
ちなみに僕は、資格の学校TACの通学講座を受講し、一発合格することができました。
やはり、独学と資格講座を受けるのでは、合格率が大きく変わり、僕は資格講座を受講することをおすすめします。
資格講座を受けるか?独学か?
簿記2級の試験が難しくなってきている中、資格講座か独学で迷う方がいると思います。
先ほども言った通り、僕は資格講座を受講することをおすすめします。
資格講座では、出題されそうな範囲を試験前になると教えてくれることがあります。
自分で独学で勉強をするなら、出題傾向なども自分で掴む必要があります。
しかし、資格講座を受講すると、講師が教えてくれるので、自分はより試験に合格するための勉強をすることができます。
特に大幅な範囲改訂があり、自分では傾向が掴みにくく、難易度も上がったと感じることでしょう。
なので、独学が不安な方は資格講座を受けることをおすすめします。
こちらに、簿記2級の資格講座は通学と通信どっちがいいのか?や独学でも取れるのか?について詳しく書いておりますので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
毎日コツコツやる人が受かる
僕が簿記2級に合格し感じたことは、「毎日コツコツやる人が受かる」と感じました。
簿記は「出題範囲が広く」、出題の仕方も多彩で「応用力」が求められます。
また、回によって「試験の難易度が変わる」為、より深く理解することが必要です。
毎日1時間~2時間勉強し、常に「自分が苦手なところはどこか?」「試験に合格するために必要なものは何か?」と考えることが大切です。
後は、過去問を解き、なぜその解答をしたのか?なぜその答えが合っている(間違っている)のか?を説明できるようにすることです。
僕は、過去問を解きまくって、問題文も解答も丸暗記してしまったので、自分で問題を作ってみたりしていました。
自分で問題を作ることで、より仕組みを理解することができたと思います。
年々難しくなってきている簿記2級の試験だからこそ、資格を取得すると価値が高いと思います。
この記事が少しでもあなたの為になれば幸いです。
また、「僕が簿記2級を取った時の合格体験記」を書いておりますので、簿記の勉強が辛い方や勉強が辛い方は参考にしてみてください。
他にも資格に関する記事を書いてますので、気になる方はご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました!