「将棋には格言があるのはご存じですか?」
格言とは、「簡単に言い表した」「戒めの言葉」みたいな意味です。
将棋の格言は、先人たちが残してくれたもので、将棋が強くなるエッセンスがあります。
将棋の対局中で悩んだ時に思い出してみてください。
今回はそんな先人たちが残してくれた、
将棋の格言を「駒の種類」ごとに紹介したいと思います。
また、将棋の駒の動かし方についてはこちらの記事を参考にして頂ければと思います。
将棋の基本ルールや将棋用語については、こちらの記事を参考にして頂ければと思います。
巨人の肩に乗る感覚で、将棋を強くなりましょう!
玉の格言
玉将(王将)についての将棋の格言を紹介します。
玉は包むように寄せろ
相手の王様を寄せるときの基本です。
相手の王様を左右からや上下から挟み撃ちにしてすることをいいます。
片方からだと逃げられてしまう可能性がある為、「包むように両方から攻める」という意味です。
王手は追う手
これはむやみに王手をすると、逆に「相手の王様を詰ますことができませんよ」という意味です。
初心者や級位者(僕のような)の人がやりがちです(笑)
「玉は包むように寄せろ」に従って、王様を逃がさないように待ち駒をしたりしましょう。
玉は下段に落とせ
玉を捕まえるための基本です。
相手の王様が中段まで上がってくると寄せにくくなるので、中段に上がってこれないように、下段に落とすことが有力です。
端玉には端歩
端玉は1筋か9筋にいる玉のことです。
王様が端にいるので、端玉には端歩が効果的だということです。
居玉は避けよ
居玉とは、王様が最初の配置から動かず、その場にいることです。
居玉は攻められるともろいので、すぐに寄せられてしまいます。
なので、王様を盤面から右か左に移動して囲むことが大切です。
飛角の格言
飛車、角行についての将棋の格言を紹介します。
飛車は十字に使え
これは飛車の基本的な使い方です。
飛車は縦と横にどこまでも移動することができる駒です。
縦と横に自在に動けるので、十字に使うことが効果的だということです。
王飛車接近すべからず
飛車は相手の王様を攻める駒です。
その飛車が自分の王様の近くにいるという事は、戦いが起きやすい場所に自分の王様がいるという事になります。
つまり、飛車と王様が近くにいることで、自分の王様が危険にさらされるということです。
大駒は離して打て
大駒とは、「飛車」「角行」の事を言います。
大駒(特に角行)は遠くに配置して、スナイパーのように狙い定めると、相手は受けずらいという事になります。
大駒は近づけて受けよ
大駒は離して打つと受けずらいので、相手に打たれたときは「近づけて受ける」と受けやすいのです。
ただ、龍(飛車の成り駒)は近づけると危険なことがあるので、この通りではないということもあります。
馬の守りは金銀3枚
馬(角の成り駒)は自陣で守りについている時に力を発揮します。
馬の守りは強力で、金銀3枚分と言われるほど強いという事です。
実際に金銀3枚分かどうかは疑問ですが、例えとしてそれぐらい強いという事です。
角換わり将棋に5筋は突くな
角換わりとは、序盤にお互い角を交換した将棋の事です。
また、角換わり将棋で、5筋を突くと常に飛車取りと馬を作る狙いが相手にできてしまいます。
相手に馬を作らせないように駒組を進めるよう、このような格言があります。
金銀の格言
金、銀についての将棋の格言を紹介します。
金底の歩岩より堅し
金の下に打つ歩は非常に固く、守りに強いという事です。
特に飛車を自陣の下段に打たれたときに、金底の歩はその飛車の横からの攻めを止めることができます。
金は斜めに誘え
金は斜め前には進めますが、斜め後ろに進むことができません。
つまり、斜め前に進むと、元の位置に戻れない(斜め後ろに進めない)ので、金は斜めに誘うことで、金を無力化できるという事です。
金なし将棋に受け手なし
金は相手の攻めを受けるのに適した駒です。
金が持ち駒として持っていれば、「相手の攻めを受けきれるのに」という場面はよくあります。
金は持ち駒にあると、受けるときにも役立ちますし、相手を詰ます時に役立ちます。
桂頭の銀定跡なり
桂馬は1マス飛び越えて移動できる飛び道具のような駒です。
その桂馬の攻撃を受ける際に適しているのが、斜め後ろに進める銀です。
桂馬を打たれて、次に駒を進められると両取り(自分の駒が2つ取られる状況)になる際などには、相手の桂馬の頭に銀を打つことが、有効だということです。
桂馬、香車の格言
桂馬と香車についての将棋の格言を紹介します。
桂馬の高跳び歩の餌食
桂馬は前に進むと後ろに戻ることができません。
むやみに前に跳ねると、相手の歩に取られてしまいます。
一番いいタイミングで桂馬を跳ねようという格言です。
3桂あって詰まぬ事なし
桂馬が3つあれば詰ませられるという格言ですが、実際はそんなことはありません。
格言がすべてに当てはまることはないということも、頭に入れておくことが大切ですね。
香車は下段から打て
香車は、前に一直線に進む飛び道具です。
飛び道具の香車は前にしか進めないので、できるだけ下段から打った方が前への利きが多くなります。
そのため、駒の効率が良くなるという事なので、香車は下段から打つことが良いという格言です。
歩の格言
歩についての将棋の格言を紹介します。
歩のない将棋は負け将棋
歩は駒の数が最も多い駒で、最も安い駒です。
歩は1枚や2枚とられてもたいしたことはありません。
ただ、歩は敵陣(自分から見て上から3段目)に入ると、と金になり金と同じ動きをすることができます。
将棋が強い人は、歩の使い方が非常にうまいので、歩は大切にするというのがこの格言です。
開戦は歩の突き捨てから
例外もありますが、将棋の戦いが起こるときは、歩をいくつも突き捨ててから起こることがよくあります。
激しい攻め合いになるほど、突き捨てた歩を取ってくれないことがあるため、先に歩を突き捨てておく事が大切になってきたりします。
5三のと金に負けなし
5三の位置は敵陣(自分から見て上から3段目)の真ん中に位置するため、相手がどの囲いをしていても、と金の存在感は大きく見えます。
それほど、5三の位置にと金ができると、威力が絶大なので勝ちやすいという格言でしょう。
まむしのと金
将棋が強い人ほど歩の使い方がうまいです。
歩はと金(金と同じ動き)になることができますが、相手にと金を取られても、相手は歩としてしか使うことができません。
しかも、将棋では歩が一番多い駒で、歩を垂らされてと金を作られて攻められるとやっかいです。
このことから、まむしのと金という格言がついたのでしょう。
まとめ
今回は将棋の格言を紹介しました。
将棋の格言は他にもたくさんありますが、私が厳選した有名で実践にも使える格言を多く紹介しました。
将棋の格言を知っていると、実際の対局中に次の一手はどうしたらいいのか?と迷ったときに、格言を参考にすると良い手を出せることがあります。
もちろん格言がすべてではなく、格言通りにうまくいかないときもありますので、自分の中で状況を考えて判断することが大切ですね!
他にも将棋の格言を知りたい方は、
こちらの将棋の格言本を読んでいただくと、より将棋が強くなるかもしれません。
この「羽生善治の将棋辞典」
著者はあの羽生善治先生なので、羽生先生の考えをしることもできる一冊だと思います。
将棋の代表的な囲いについて紹介しておりますので、こちらの記事もご覧になって頂ければと思います。
将棋の戦い方についても紹介しておりますので、こちらの記事もご覧になって頂ければと思います
将棋の歴史について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
最近は「観る将」が増えています。
観る将の楽しみ方なども紹介しておりますので、こちらの記事もご覧になって頂ければと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!