PR

コンピュータ科学の父│アラン・チューリングってどんな人?エニグマを解読

アラン・チューリング 暗号学び
記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

アラン・チューリングって知っていますか?

アインシュタインやエジソンに比べると知っている人は少ないと思います。

アラン・チューリングは「コンピュータ科学の父」と言われています。

また、「ソフトウェアの生みの親」とも言われています。

現在の私たちの生活にはコンピュータが身の回りにあるのが当たり前です。

パソコンやスマホ、車や家電などにもコンピュータという高機能な計算機が組み込まれています。

その生みの親が「アラン・チューリング」と言われています。

また、アランチューリングは暗号を解読し、戦争の終結を2年~4年早めたと言われています。

今回はアラン・チューリングの

  • どんな人なのか?
  • どんな功績を残したのか?
  • 生涯
  • 隠された業績

について紹介したいと思います。

アラン・チューリングってどんな人?

アラン・チューリングはイギリスの数学者で現在のソフトウェアの概念を作ったと言われる人物です。

また、第二次世界大戦でヒトラー率いるドイツの暗号機「エニグマ」の解読に成功した人物です。

出典:Wikipedia
アランチューリングって?
  • 名前:アランチューリング
  • 誕生日:1912年6月23日
  • 没日:1954年6月7日(享年42歳)
  • 国籍:イギリス
  • 出身大学:ケンブリッジ大学 キングス・カレッジ
  • 主な業績:「チューリングマシン」「暗号解読」「チューリングテスト」

アラン・チューリングの生涯

アラン・チューリングは1912年6月23日に高級官僚である父と母エセルとの間に産まれました。

アラン・チューリングは幼い頃から数字に強く、パズルを解くのが得意でした。

数学の才能は凄まじく、15歳でまだ習っていないのに微分積分の問題を解き、さらにもっと難しい問題を解いていました。

さらに16歳の時には、アインシュタインが書いた論文の内容を理解し、そこには書いていない事まで補足したと言われています。

大学はイギリスの名門ケンブリッジ大学へ入学しました。

大学でも数学で優秀な成績を修め、ケンブリッジ大学の特別研究員に選ばれました。

そして、「チューリングマシン」「暗号機エニグマの解読」「チューリングテスト」など数々の業績を残しました。

アラン・チューリングの性格は、コミュニケーションに難があり、アスペルガー症候群(自閉症スペクトラム障害・ASD)であったとされています。

暗号解読の際にも、他のメンバーとはうまくコミュニケーションが取れず、孤立してしまう事もありました。

また、チューリングは同性愛者でした。

当時のイギリスでは、同性愛者は法律で禁じられており、チューリングは有罪判決を受けました。

有罪判決を受けたチューリングが迫られたのは、「投獄」か「去勢」でした。

去勢方法は、科学的去勢で女性ホルモン注射の投与でした。

チューリングは去勢を選択しましたが、1954年に41歳の若さで自ら命を絶ちました。

死因は青酸中毒で、部屋にはかじりかけのりんごと青酸の瓶があり、青酸化合物を塗ってかじったとされています。

アラン・チューリングの業績

アラン・チューリングの残した業績を3つ紹介します。

チューリングマシン

1936年、アラン・チューリングは論文で「チューリングマシン」という概念を提唱しました。

チューリングマシンは実際の機械(マシン)ではなく、計算可能性に関する議論を行うための抽象機械です。

このチューリングマシン上で計算手順を記述でき、無限に計算が可能であると示しました。

これを「アルゴリズム」といい、現在のコンピュータ科学の基礎となる概念です。

暗号機エニグマを解読

アラン・チューリングの業績で最も有名なのは「エニグマ」を解読したことではないでしょうか?

第二次世界大戦中、イギリスはヒトラー率いるドイツ軍の潜水艦による攻撃により、アメリカからの補給船が次々と破壊されていました。

その潜水艦は「エニグマ」という暗号機から支持を受けていることを知りました。

そして、アラン・チューリングはイギリス政府からの依頼で、暗号解読をするようになりました。

この暗号機「エニグマ」は非常に組み合わせが多く、1京もの組み合わせがありました。

当時この「エニグマ」は、解読不可能と言われていたのです。

このエニグマにチューリングや一緒に暗号解読をしていたメンバーは苦戦しますが、チューリングは暗号解読機「ボンベ(Bombe)」を開発します。

この暗号解読機「ボンベ」には1400万円もの開発費用が掛かりましたが、見事エニグマの解読に成功します。

この暗号機エニグマの解読によって、戦争が2年から4年早く終結したと言われています。

もし、この時にエニグマを解読できなければ、今の世界の構図も変わっていたかもしれません。

それぐらいアラン・チューリングは大きな貢献を果たしたのです。

チューリングテスト

チューリングテストとは、「機械は思考できるのか?」という機械が人間的であるのかどうかを判定するために考案しました。

機械が人間的と聞くと、AI(人工知能)が思い浮かぶ人もいると思います。

そうです。このチューリングテストは人工知能の発達に大きく貢献しています。

機械が人に近い振る舞いができるのかを判別するのが、このチューリングテストの目的です。

このテストは被験者に「人」か「コンピュータ」とタイプライターで会話をさせ、相手が人かコンピュータかを判別できるかどうかを実験します。

会話しているのが人かコンピュータかがわからなければ、人工知能だとチューリングは考えていました。

これが現在の人工知能研究に役立ち、このチューリングテストを突破できるコンピュータの開発がされています。

隠された業績

アラン・チューリングが残した暗号解読の業績は、国家機密に関わるとして、隠されていました。

アラン・チューリン本人も口外を禁止され、自分が残した業績を語ることがありませんでした。

そしてチューリングにとって重大な事件が起きます。

さらにチューリングの家に泥棒が入ります。

チューリングは警察に通報しますが、警察に同性愛者であることがばれてしまいました。

当時のイギリスは同性愛者が違法だったため、逮捕されたのです。

暗号解読をし、第二次世界大戦の終結に大きく貢献したにも関わらず、同性愛者であるという理由で業績をはく奪されました。

チューリングは化学的去勢(女性ホルモンの投与)で投獄は免れましたが、2年後に自ら命を絶ちました。

チューリングが生きている間には、暗号解読の業績はなかったことにされていましたが、2009年にイギリス首相が公式にチューリングの業績を発表しました。

さらに2013年にはエリザベス女王のも恩赦をし、チューリングの名誉が復活しました。

残念ながらチューリングが生きている間には、業績を称えられることはありませんでしたが。

2014年にはチューリングの半生を描いた映画「イミテーション・ゲーム」が上映され、アカデミー賞にノミネートされ数々の賞を受賞しました。

まとめ

アラン・チューリングは才能に溢れながら、対人関係に難を抱いていました。

さらに業績を国家機密という事で隠され、同性愛者だからといって逮捕される壮絶な人生を歩んでいました。

それでも、後世に大きなものを残してくれたアラン・チューリングに感謝することが必要ですね。

今回は、アラン・チューリングについて紹介しましたが、こちらにも偉人を紹介しておりますので、気になる方はご覧ください。

最後までご覧いただきありがとうございました!